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仏像の光背について
2009/06/21(Sun)
仏像の背後には、光背という板状の飾りのようなものがあります。
光背は、飾りに見えますが、仏身から発する光を表現したものです。

釈迦が悟りを開いた際、全身が金色に輝き始めたという様子を表わしています。
基本的には、頭部から発する頭光、体部から身光、全身を覆う挙身光の3つがあります。


光が放たれる様子は、同心円や放射状の線で表現されることが多く、光を円で表わした円光、円光を組み合わせた二重円光、宝珠の形をした宝珠光、炎の形をした火焔光などがあります。



光背には、雲や蓮華などの植物、また火焔や化仏を浮き彫りや透かし彫りしたものなど、技巧を凝らしたものが多くあります。また、仏像の種類や時代によってそのデザインが様々に変わるため、仏師の工夫や作られた時代を知るのにも役立ちます。


まず、初期の光背として知られる円光はガンダーラやマトゥーラの仏像に見られるものです。
これはギリシャ神話に登場する天使の背後にある輪からヒントを得たものと考えられています。

この円光に何本かの光の筋を表わしたものに「輪光」というものがあります。
地蔵菩薩や阿弥陀如来などによく見られる光背です。


次によく見かける光背に「蓮弁光」というものがあります。蓮の花の花弁の形をしていることからこのように呼ばれ、もっともポピュラーな光背です。

さらに蓮弁光にたくさんの仏(千躰仏)をあしらったものを「千仏光」と呼んでいます。
奈良の唐招提寺の毘盧舎那如来の光背は、遠くから見るとたくさんの鈴が取り付けてあるように見えますが、よく見ると、その一つ一つが小さな仏の姿に作られています。


明王は火焔をかたどった火焔光を背負っています。
火焔光は、怒りを炎で表現したものですが、中には炎の先端が鳥の頭の形をした迦楼羅焔光も見られます。伝説上の迦楼羅は煩悩の象徴の毒蛇を食べると考えられていて、迷いの焼き尽す火焔と合わせて、ダブルパワーで煩悩を払います。


このように、光背にはさまざまな形のものがあり、仏像には欠かすことのできないものです。


法隆寺-四天王立像(多聞天)
円光   法隆寺-四天王立像(多聞天)

浄土寺-阿弥陀三尊立像
放射光  浄土寺-阿弥陀三尊立像


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