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大日如来
2009/05/22(Fri)
大日如来は梵名マハーヴァイローチャナの訳で、「大日経」「金剛頂経」に説かれる、密教の体系の中心をなす尊格です。


密教の教えによると、大日如来は宇宙全体の中心にいる最高の存在であり、宇宙の真理そのものという壮大なスケールの存在です。また、すべての仏は大日如来の化身であるとされています。

その起源は古代ペルシアの太陽神アフラ・マズダーと関係があり、その知恵の光明は宇宙をあまねく照らすとされています。



わが国では、平安時代初め、空海によって唐からもたらされた「密教」は、日本では真言宗として広まりました。


その姿には2種あり、1つは「金剛頂経」にもとづいて表わされた仏の知を現す金剛界大日如来と、もう1つは「大日経」にもとづいた仏の理の世界を表わす胎蔵界大日如来です。

二つの姿の大きな違いは、「印相」です。

金剛界大日如来は「知」の象徴で、知恵の深さを意味す知拳印を結んでいます。
これは左手の人差し指を立て右手でその指を握る手の形。

一方、胎蔵界大日如来は「理」の象徴とされ、瞑想していることを表わす法界定印を結んでいます。
こちらは腹部の前で左右の手のひらを重ね、両手の親指の先を合わせた形で、座禅で組む手の形に似ています。


いずれにも共通する像の形の特色は、通常の如来が出家した釈迦の姿をモデルにして華美な装身具などを一切付けず、簡素な大衣をまとうのみであるのに対し、大日如来は宝冠・瓔珞・腕釧・臂釧などできらびやかに飾り、大衣を着けず、上半身には条帛を着け、頭上には肉髻がなく髻を結うという、菩薩と同様の華やかな姿をしている点です。


これは、密教の世界そのものを包括する存在の大日如来には王者の装いである菩薩姿がふさわしいとされたからです。とくに宝冠は「五智の宝冠」といわれ、知恵の象徴であり5つの仏が描かれています。

像はすべて坐像です。


天才仏師として知られる運慶が20歳代に手がけた、円成寺多宝塔の大日如来坐像はよく知られています。


円成寺-大日如来坐像3
円成寺-大日如来坐像


円成寺-大日如来坐像
円成寺-大日如来坐像


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